今再び斉藤昭雄教授と卒業生有志の骨折りにより、「成棋会」結成のはこびとなりましたことは、誠に時機を得た事で、2000年の節目とお慶び申し上げます。初代春田伊久蔵教授から引き継ぎ顧問となりました私は合宿に参加するだけでしたが、部員一同の絶え間なき努力は、顧問宮坂幸雄八段を中心とする棋道の精進により有段者を多数出し、大学リーグB級でも有力校となりました。
三代顧問の岡部政昭教授は、本学経済学部卒業後早稲田大学大学院に学び、卒業後母校で教鞭を取る事となり、顧問として学生の指導に励まれましたが、不幸にして若くして逝去されました。その温厚な姿はいまだに忘れられません。その意思を継いだ現顧問斎藤昭雄教授は、時世の移り変わりか大学生の意思の移り変わりか、入部者の減少により部の存続さえ危ぶまれる状況となりましたが、先生の莫大なるご努力により今日を迎えております。
この時にあたり、三沢洋六さんを頂点とする有志卒業生の努力によって本会は発足しました。会の第一の目的は会員相互間の親睦を図る事でありますが、後輩の現役を育てることも大事な役目であります。その為には、絶えず後輩現役生と連絡を保つ必要があります。本会員は「前田杯」などで親睦をはかるだけでなく、棋力の進歩をはかる事が必要となります。将棋という共通の目的の為、訪ねてください。後輩は大切な会員の跡継ぎです。
本会は成城大学卒業生によって、広い世界の各分野にわたって世界各地に広がりを持っております。ロンドンはじめ世界各地に広がってゆく会員に将来の夢を託しております。日本の各地に会員たちの広がりを示す支部が設けられ、会の発展はますます広がる性格をもっております。かつて成城の森に育てられた一本の芽が、それぞれ成長して一本の樹となり、またその子供たちによって引き継がれてゆくであろう「成棋会」は、夢多き会でありたいと念願しております。会員の皆さんの健康とご活躍をお祈り致します。
第二代顧問
前田 種芳